に鑑みる?を鑑みる?

 「鑑(かんが)みる」は広辞苑によれば、「先例に照らして考える。他とくらべあわせて考える」という意味で、「時局に鑑みて生産の増大をはかる」とかいう例文が載ってたりします。
 このコトバの使い方は「〜に鑑みる」がフツウだと思っているのですが、仕事上の文書では結構「〜を鑑みる」も目にします。

 これについて、Chez KUBO 2.0:「〜に鑑みる」か、「〜を鑑みる」か?では、

なるほど、鏡の動詞化というのなら、鏡の役割を果たすもの(参照されるもの)であるなら「に」になるでしょうし、映される客体であれば「を」ということになるのでしょう。どちらも、あり得るということのようです。

と考察しています。

 これはこれで説得力があるのですが、「(〜を鑑みる)は単純に(考える)の誤用であり、次のような要素が誤用を誘引する。」と考えた方が私には納得できます。

  • 「鑑みる」の持つ権威的な響きを好ましく感じる状況
  • 音の近さ :(かんがえる)と(かんがみる)
  • 意味の近さ:(鑑みる=照らして考える)と(考える)