育ってくれよぅ

 部下に対しては、できるだけ分け隔てなく接するように心がけてきたつもりだ。だが、最近それでいいのか、疑問に思う。悪平等に陥っていないか。はっきりと言ってしまえばデキの悪い部下に対して接する時間の方が、デキのよい部下に対するよりも長く密になる。いきおい、デキのよい方には、デキの悪いヤツの分もおっかぶせてしまうことになる。仮に私の指導(あまりこの言い方は好きではないが)によって部下が育つとしよう。私は部下が育つための食料を均等に与えていないことになる。かえってそちらの方が不平等ではないか。
 もう一つ疑問は「ホントウに育つのか?」ということだ。私の仕事はソフトウェア開発であり、個人の生産性に20倍以上の開きがあるという職種だ。他の同年代の者と比べると、私は平均以上にいろいろな指導をしている方だと思っている。しかし、その効果がどれだけあるのか、「プログラマは育てられない」などと言う記事を見れば、心の中でかなりの部分が頷いている。