雛人形は一人一飾り?

 昨年の9月に長女が生まれたので、今年の3月は初節句です。出張に出かけてるうちに、カミさんとジジババは雛人形を見に行ったそうです。そこで店員から「人形はお子様の厄を引き受けてくれるものなので、一人一飾りが基本です。」というようなことを吹き込まれてきました。

 たしかに、雛人形はもともと上巳の祓に使われた形代がはじまりかも知れません。でも、いまどき誰も上巳の祓いなんてしないんですから、そんなこと気にする必要はありません。気にするくらいなら、毎年新しい雛人形を買いかえなけりゃつじつまが合わないっていうもんです。
 また、「一人一飾り」は世間の常識なのか?というと、どうもそうは思えません。古い雛人形を受継いでいる旧家はたくさんあります。
 何かというと、起源を出してくれば済む、と思っている単純な人はどこにでもいるようですが、歴史の長いものには色んな意味づけがされているものであり、「最初はこうだった」ということで語りつくせないものがあるハズです。雛人形の起源をネタにして、「母親の雛人形を受継がすと親の厄まで娘に受継がせることになる」とかいう、人の不安を煽るタチの悪いセールストークを真に受けるのは、いい加減やめにした方がよいのではないかと思います。