それってBCPなの?

 晩メシを食べながら、NHKスペシャル〜首都直下地震 見逃された危機〜を見ました。
 番組の中では富士通グループのBCPの訓練の模様が紹介されていました。災害時にサービスマンを指揮するリーダの訓練です。なんでリーダを訓練するかというと、こんな理由だそうです。

  • 最近の富士通は、製品販売よりもサービスの売上が大きい。
  • 災害時には出社可能なサービスマンが限られる。
  • サービスレベルを確保するには、限られたサービスマンをいかに適切に動かすか
  • そのためには、リーダの養成が重要

ということで、ウロ覚えですけど訓練の様子はこんな感じでした。

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災害が発生して、リーダと数名のサービスマンだけしか出社していない、という想定です。
まず、リーダは人手を集めようとします。

  • リーダ:「Aさん。他の社員の参集指示を出して下さい。」
  • Aさん:「参集指示って、どうやって出すんでしたっけ?」
  • リーダ:「...」


という訳でメンバは増えないまま。ホントは携帯で一斉メールを出すことになってたらしいです。

  • (女性の声)「○○病院の電子カルテシステムがダウン。サービスマン派遣を要請されています。」
  • (女性の声)「△△空港の管制システムがダウン。サービスマン派遣を要請されています。」
  • リーダ:「Aさん。○○病院に向かって下さい。」


人命優先ということで、まず病院に向かってもうらおうとしたみたいです。
(よほどのことでもない限り、管制システムの方が大事なんじゃないかと思うんですが、この辺の判断は富士通ご自慢のBCPコンサルティングの結果なんでしょうね。それとも、特に基準もなく現場のリーダにお任せするのが富士通BCP標準なんですかね。)

ところがここで

  • (女性の声)「役員が現状と復旧見通しの報告を求めています。連絡して下さい。」


すると

  • リーダ:「役員って、誰に連絡すればいいの???」


挙句の果てに、○○病院に向かわせようとしてたAさんに向かって、

  • リーダ:「Aさん。役員向けの報告書を作って下さい。」


最後に、BCPの責任者やら何やらエラソーな人々が、リソースが少ないんだから優先順位をつけるのが大事だとか、役員向けの報告書なんか後でいいんだとか、いろいろとコメントをして訓練は終りのようです。

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まぁ、見てる分には面白かったです。(リーダ役の方はお疲れ様ぁって感じですね。命令を出し慣れてない人には、大変だったでしょう。)
けど、それはBCPとは違うんじゃないかなぁ?どこにリソースを回すか、優先順位決めとくなんてのはいくらでも事前にできそうなもんなんだけど。そういうことをやらずに、慣れないリーダに災害時の対応をやらせてみて、文句タレててもさほど得るとこはない気がします。素人には専門家の考えてることはよく分かりません。

まぁ、非常時に適切な判断を下すことのできるリーダがいるに越したことはないんですけどね。リーダを五ヵ年計画で育てるのが、事業継続の"計画"ってぇことか?